生まれ変わった懐かしの学び舎|「のぼりべつ酪農館」は牛乳の工場兼ミルクの学校

のぼりべつ酪農館 北海道の秘密発見

のぼりべつ酪農館

登別市の札内高原館内にある「のぼりべつ酪農館」は、1997年に廃校となった札内小中学校の校舎を再利用した牛乳の工場兼ミルクの学校。
歴史と風土を紐解きながら、校舎の雰囲気と「のぼりべつ牛乳」や飲むチーズなどを紹介します。

※この記事は、2016年に北海道医師協同組合発行の会員向け冊子「医師協メール」へ寄稿した記事を一部リライトのうえ掲載しています。

 

1.登別市にある生まれ変わった懐かしの学び舎

学び舎には牛乳がよく似合う気がします。なぜなら、小学校の給食で出てきたメニューを思い出すと、ほぼ毎日机の上に並んでいたのは牛乳だったから。

登別市の札内地区にある“旧”学び舎、札内高原館内にある「のぼりべつ酪農館」には、牛乳のほか、飲むチーズやプリン、チーズやソフトクリームまで並んでいます。
1997年に廃校となった札内小中学校の校舎を再利用した施設。学び舎の痕跡を探しつつ、ここに牛乳が並ぶ理由を探ってみました。

2.温泉が有名な登別は意外にも牛乳生産の適地

登別市というと地獄谷や硫黄泉など温泉を思い浮かべる方が多いでしょう。
実は登別市は酪農に適した気候風土で、比較的温暖で雪が少ないうえミネラル豊富な潮風を受ける高原が広がるため、開拓時代から酪農が続いている土地なのです。

のぼりべつ酪農館の主力商品「のぼりべつ牛乳」は、近隣の契約酪農家14軒が自給飼料主体で育てる放牧牛から絞られた生乳のみを使用。
良質な牧草から生まれた高品質な生乳を傷めないように、低温殺菌することでミルク本来のコクと甘みを引き出しているそうです。

そのため、牛乳の脂肪分は3.6~3.7%位と決して高くはないにも関わらず、コクと甘みがありつつスッキリとした後味が特徴。
飲みやすさが人気となり、近隣スーパーなどでも販売され、登別温泉街のホテルの朝食にも並ぶほか、地元の小学校の学校給食でも採用されています。

3.のぼりべつ酪農館は地域の拠点

2004年に誕生したのぼりべつ酪農館では乳製品の製造販売をしているだけではありません。
地域の人たちが再び集う場になればと、元教室の一部でバター作りをはじめ酪農キッチン体験などが開催され、旧体育館では地元の和太鼓やロッククライミングの練習場として活用されています。

こだわりの乳製品を求めて毎日たくさんの人が訪れるとともに、地元の人も趣味の活動拠点として旧学び舎へ通います。

高原の学び舎は、地元に根差したの牛乳の工場・ミルクの学校へと生まれ変わり、旧学び舎で生まれた牛乳が、現役の学び舎の給食に並びます。
廃校になっても学び舎は地域の拠点であることには変わりはないようです。

4.のぼりべつ酪農館に残る学び舎の想い出

のぼりべつ酪農館の施設内で、学び舎の痕跡を探してみました。その一部を写真で紹介します。

○教室の風景

のぼりべつ酪農館

元教室では、バター作りやアイスクリーム作り体験(要事前予約)の準備中でした

○廊下の風景

のぼりべつ酪農館

廊下には岩石標本や図画工作の作品、蔵書などがそのまま残っています

のぼりべつ酪農館

書道作品や蔵書が並ぶ廊下は、乳製品などの包装資材の置き場として使用

○体育館の風景

のぼりべつ酪農館

ボールや得点表など、昔の備品がそのまま残る体育館

のぼりべつ酪農館

壁面の一部はロッククライミングの練習場になっていました

5.牛乳や飲むチーズ、ソフトクリームなど極上の品々

最後に、のぼりべつ酪農館で販売している絶品の製品を一部簡単に紹介します。

のぼりべつ酪農館

のぼりべつ牛乳(左)とともに、トロッとした濃厚なプリン(右手前)や、ヨーグルトのような飲むチーズ(右奥2品)は定番の人気商品

のぼりべつ酪農館

チーズはさまざまな種類があり、ワイン通が舌を唸らせること間違いなし

 

【のぼりべつ酪農館】

登別市札内町73-3

営業状況や商品の詳細などは下記の公式サイトでご確認ください。
のぼりべつ酪農館公式サイト

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