世界自然遺産登録地の知床五湖周辺を守った「しれとこ100平方メートル運動」

秋の知床五湖 絶景見るべし!
秋の知床五湖・2020/10/7(pgoto by nobuka)

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秋の知床五湖

秋の知床五湖・2020/10/7(pgoto by nobuka)

知床は春夏秋冬いつ訪れても美しいです♪
なかでも、原生の自然の風景を誰でも手軽に楽しめる、定番の人気観光スポット・ビュースポットが知床五湖です。
でも「しれとこ100平方メートル運動」がなかったら、このような写真映えする風景は今頃なかったかもしれませんし、知床が世界自然遺産に登録されることもなかったかもしれません。

1.「しれとこ100平方メートル運動」とは

知床五湖の周辺はかつて農民が切り開いた土地。
1900年代初頭から1960年代にかけてたくさんの人たちが切り拓いて入植し、農業や酪農を営んでいたそうです。
とはいえ冷涼で自然環境が厳しい土地なので農業や酪農には適さず、入植者の多くがこの地を離れていきました。

離農した開拓跡地が乱開発されるかも……。

乱開発の危機に見舞われた土地を守るべく、斜里町が試みた施策が「しれとこ100平方メートル運動」。
「しれとこで夢を買いませんか」をキャッチフレーズに、開拓跡地などの土地を買い取るため必要な資金の寄付を全国に呼びかけるナショナルトラスト運動です。

1977年に呼びかけ始め、33年かけて保全対象地のすべての買い取りが完了。買い取った開拓跡地を原生の森に戻すべく、今なお全国からの寄付金をもとに森づくりの作業を進めているそうです。

2.もし「しれとこ100平方メートル運動」がなかったら

開拓跡地を乱開発から守って原生の森に戻すトラスト活動がなかったら、今頃この辺にもホテルやお土産屋さんが乱立していたのかも。
ホテルやお土産屋さんだけではなく、巨大なゴルフ場ができていたかも。
知床五湖がコース上の池にピッタリかもって気がしますしね~。

かつての釧路湿原などで起きた原野商法と同様に、土地投機の対象として山林・原野が小区画に分けられて売買されて不在地主が増え、観光開発も環境保全もできなくどうしようもなくなっていたかもしれませんし……。

そうしたら、きっと世界自然遺産になんて選定されなかった気がします。

3.知床のかつての開拓跡地も今では世界自然遺産

知床が世界自然遺産として登録されることになったのは2005年。
第29回ユネスコ世界遺産委員会で自然遺産登録が決まりました。

トラスト運動を始めたのが1970年代だったことを考えると、主催した当時の斜里町は先見の明があったのだな~って思います。

自然遺産は自然資産。さまざまな季節に何回訪れても飽きません(^-^)
ナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」のおかげです♪

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