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北海道北部を走る宗谷本線の雄信内(おのっぷない)駅は、幌延町公認の秘境駅。
駅前はゴーストタウンと化し、生い茂る草木と廃屋が数軒ある程度。
それでも生き残っている木造駅舎はとてもレトロで写真映えします。
時刻表を見ると列車の本数は極端に少なく、列車や踏切の音が珍しい位。
利用者が少なく駅の廃止が取り沙汰されましたが、秘境駅として知られる糠南駅や下沼駅などとともに幌延町が存続を決断した無人駅です。
雄信内駅の駅前一等地と目抜き通りは……ゴーストタウン!
ある年の初夏、少々強い雨が降る中で訪れてみた時の風景を紹介します。
ホームから古びた木造の駅舎を通り抜け、駅前広場へ出てみました。
扉を開けると、そこは雄信内駅の駅前一等地!のはずなのですが……。
駅舎の目の前には、車を数台停めることができる砂利が敷かれた駅前広場らしきスペースがあります。
そのほかは、強い雨に打たれる青々とした木々と草しかありません。
草地にはかつて住居か店舗か、何かしらの建物があったのでしょうか。
頭の中で数十年前にタイムスリップしてみると、ここに人々の営みがあったように感じます。
ふとよく見ると、うっそうとした緑の木々の間に建物らしきものが見えました。
行ってみましょう。
駅舎を背にして駅前通り(!?)をまっすぐ進むと、ほどなくしてT字路にぶつかりました。左右に数軒、建物があります!
どうやらこの付近が目抜き通りなのでしょう。
しかし、建物に近づいてよく見ると…。
目抜き通り(!?)に数軒並んでいる建物はどれも傾いているか崩れていました。
生活の匂いが全くありません。
廃屋が並ぶ道をしばらく進むと別のT字路にぶつかり、正面に牧草地が見えました。
ここでやっと人々の営みをかすかに感じられ、ちょっとホッとします。
それにしても、「なぜここに駅が!?」と疑問に思ってしまうのはきっと私だけではないはず。
よくぞ今まで廃止にならずに残っていたものだ、と感じてしまうロケーションです。
雄信内の集落は幌延町ではなく天塩町
人影を感じない駅前通りや目抜き通りを過ぎ、牧草地からさらに進むと、北海道北部の大河、天塩川にかかる雄信内大橋で対岸へ渡れます。
川の先には住宅など建物が並ぶ、ちょっとした街が見えます。
この街の名前は、天塩町の雄信内地区。
幌延町にある雄信内駅は「おのっぷない」と読みますが、天塩町にある雄信内の読み名は「おのぶない」。
正確には、街の地番は読み方と異なり、カタカナで「天塩町字オヌプナイ」と言います。
ちょっとややこしいのですが、雄信内は「おのっぷない」と「おのぶない」と「オヌプナイ」の3つの読みが併存しています。
幌延町にある雄信内駅から天塩町の雄信内までは、天塩川にかかる雄信内大橋で行き来はできますが、数キロ離れています。
駅前には人影がなく、ちょっとした集落からは距離が遠すぎる雄信内駅。
JR北海道によると、雄信内駅の1日あたりの利用客平均は1人以下らしいです。
駅周辺を軽く巡ってみると、極端すぎるその数値に激しく納得してしまいます。
雄信内駅の木造駅舎と簡素な木造踏切がエモい!
雄信内駅が開業したのは1925(大正14)年。
現在使用されている木造の駅舎は、1953(昭和28)年11月に建てられたものです。
半世紀以上もの歴史を刻んできた駅舎。随所に長い時を経た風情を感じます。
駅のホーム側には、立派な駅名板が掲げられていました。
雄信内駅は利用客が極端に少ないにも関わらず、ホームが2つあります。
この駅で下り列車と上り列車が行き違いできるように線路が2線あって、下り列車用のホームと上り列車用のホームがあるのです。
駅舎があるのは稚内駅行列車が発着する下りホーム。
旭川駅方面(列車は名寄駅行)の列車が発着する上りホームへは、下りホームの端から線路脇へ下り、簡素な踏切を渡っていきます。
古典映画にでも出てきそうな佇まいの駅舎。
ホーム柵どころか跨線橋すらないホーム。
遮断機もなく、線路の間に木材を据え置いただけで、まるでトレッキングコースのような踏切。
昭和時代から時が止まっているかのようなレトロな佇まいで、カメラをかまえるとどれもエモくて最高!
一昔前、二昔前の風情と佇まいが今に残る貴重な無人駅です。
普通列車が静かに発着、特急列車はゆっくり通過
昼下がり、強い雨音しかしない無人駅で、踏切の警報の音が鳴りだしました。
ホームに上がると、霞の奥のほうから少しずつ明かりが近づいてくる様子が見えました。
稚内駅行の下り普通列車です。
たった一両だけの普通列車が雄信内駅にやってきました
雄信内駅がある区間は、1日あたり、普通列車が上下各3本走っているほか、特急列車が上下各3本走っています(2020年秋現在)。
雄信内駅には普通列車のみが停車します。この運行頻度では、列車で訪問するには少々ハードルが高いですね……。
訪れた日は悪天候のため、列車のダイヤが少々乱れていたようです。
普通列車が数分間停まっている間に、稚内駅から旭川駅方面へ向かう特急列車がやってきました。
踏切音が鳴り響く中、エンジン音を唸らせながら、普通列車の隣をゆっくりと通過していきます。
雄信内駅の上り線ホームを、特急列車が通過していきます
特急列車が過ぎ去ると、すぐに普通列車も発車。
ちなみに、この列車から降りた人も乗った人もいませんでした。
列車のエンジンの音がだんだんと小さくなっていき、列車は白い靄の中へ。
列車の気配を感じなくなると、再び雨の音しかしない静寂な雰囲気に包まれました。
普通列車を見送ると、雨足がよりひどくなってきました。
ホームの脇に生えている雑草に打ちつける雨音が強く響きます。
その後、悪天候のためこのあとの列車は終日運休が決定。
どうやら見送った列車がこの日の最終列車になったようです。
駅へ訪れるのには列車を使わないとダメでしょと思うのですが、列車の本数の少なさを考えると、やはり車利用になってしまいます。
鉄道の旅や駅巡りの旅には邪道かもしれませんが……、この日ばかりは車訪問でひと安心。
列車で訪れていたら、人影のないゴーストタウンと化した木造駅舎の無人駅で翌日まで過ごす羽目になりました。
列車の本数が少ない区間で乗降する旅では、天気の状況も注視しないと大変です。
特に冬は雪の状況で遅延や運休になることはよくある話なので、列車の旅をするみなさんはご注意を。
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ゴーストタウンの秘境駅は観光スポット!?
駅の近くに人家が見当たらない、緑に囲まれた静かな無人駅。
古びた木造の駅舎がとてもレトロでノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
近年はテレビなどメディアでも秘境駅として紹介されたほか、幌延町が観光資源と歴史資産とみなして残していこうとしていることもあり、鉄道ファン以外にも訪れる人がいるようです
もしかしたらこの駅を利用する人は純粋な駅利用者ではなく、駅を見学に来たファンと観光客しかいないかも…!?
ゴーストタウンの秘境駅はもはや駅というより、ちょっとした観光スポットになりつつあります。
雄信内駅は一見の価値がある、秘境っぽさをたっぷり感じられる無人駅です。
ただ、駅近くの沿線ではヒグマの目撃情報もあるそうなので、訪れる時は気を付けて下さいね。
※この記事は2015年に作成した内容を2020年に改訂しました。