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北海道伊達市の「有珠善光寺自然公園」は、桜や紫陽花、紅葉の名所として有名。
洞爺湖温泉や有珠山、昭和新山などの観光名所に近く、札幌などからもアクセスしやすいのが嬉しいです♪
蝦夷三官寺の一つに数えられ約1200年の歴史があると言われている有珠善光寺と、寺の周囲に広がる緑の木々や巨木と天然の石庭が美しい自然公園。
「有珠善光寺自然公園」の桜や紫陽花、紅葉名所としての魅力や有珠善光寺の歴史とともに、交通アクセスや駐車場について紹介します。
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有珠善光寺自然公園へ訪れるには?交通アクセスについて
有珠善光寺自然公園は、室蘭市と洞爺湖町に挟まれた伊達市内にあり、洞爺湖町との境界がすぐ近く。
有珠善光寺自然公園へは、車でも鉄道でも訪れることが可能です。まずは、どうやって行けるのかを紹介します。
有珠善光寺自然公園へ車で行くアクセス方法
有珠善光寺自然公園は、国道37号沿いにあります。
〇札幌、千歳、苫小牧方面から向かう場合
—道央自動車道の伊達ICより約12km、約20分—
道央自動車道の伊達ICで下りて伊達市街地へ向かい、国道37号へ出て右折して洞爺湖町方面へ。道なりにしばらく進み、有珠地区を過ぎて「道の駅あぷた」の約1km手前付近の左手。
〇洞爺湖温泉など洞爺湖湖畔付近から向かう場合
—洞爺湖温泉街より約9km、約15分—
まず、道央自動車道の虻田洞爺湖IC方面へ向かいます。長いトンネルを抜けてIC前を通過し、国道37号へ出たら左折して伊達市・室蘭市方面へ。道なりに進んで「道の駅あぷた」を過ぎたら右手。
〇函館、長万部方面から向かう場合
—道央自動車道の虻田洞爺湖ICより約6km、約10分—
道央自動車道の虻田洞爺湖ICで下りて左折し、国道37号へ出て再び左折して伊達市・室蘭市方面へ。道なりに進んで「道の駅あぷた」を過ぎたら右手。
地図はこちらでご確認を。
google maps
有珠善光寺自然公園の駐車場やトイレは各2カ所ずつ
有珠善光寺自然公園は海辺から丘の上までの広範囲に広がる公園。
駐車場とトイレは、広い園内にそれぞれ以下の2カ所ずつあります。トイレはともに駐車場付近にあります。
- 丘の上、先に紹介した国道37号沿い
- 低地にある有珠善光寺本堂付近
1つ目の駐車場は、先に紹介した国道37号沿いにある駐車場で、2つ目の駐車場は有珠漁港近くの低地にあります。有珠善光寺の本堂に近いのは2つ目の駐車場です。
1つ目の駐車場は国道37号沿いなのでわかりやすいですが、2つ目の駐車場の場所は少々わかりにくいかもしれません。
2つ目の駐車場へ行く場合、有珠善光寺自然公園の地図ではなく、以下の有珠善光寺の地図のほうが間違えないと思います。
国道37号の有珠地区もしくは「道の駅あぷた」付近から有珠漁港方面へ通じるやや細めの道を進むと行くことができます。
google maps
有珠善光寺自然公園へ鉄道など公共交通機関で行くアクセス方法
公共交通機関で行く場合、鉄道利用となります。
最寄り駅はJR室蘭本線の有珠駅で、有珠善光寺自然公園までは徒歩20~25分です。
ただ、有珠駅は便数の少ない普通列車しか止まらない無人駅。
歩く時間もちょっと長いため、旅行バックなど大きな荷物を持っている方は少々きついかもしれません。スーツケースなどを預ける場所もありませんし…。
健脚な方がハイキング気分で身軽な服装でお出かけするのであれば、ちょっとした運動にもなり心地よいかもしれません。
札幌圏の方なら、JR北海道で春から秋の土日祝に発売するお得な切符「一日散歩きっぷ」を利用して訪れてみるのもよいかもしれませんね。
有珠善光寺自然公園は桜や紫陽花の名所として有名
有珠善光寺自然公園は桜や紫陽花をはじめ、花の名所としても知られています。
園内にはさまざまな花が咲きますが、数ある花の中でも桜が有名です。
有珠善光寺自然公園の桜の見ごろは5月上旬から5月下旬
有珠善光寺自然公園は道南の桜の名所として知られているため、お花見の時期になると大勢の観光客や見物客で賑わいます。
見頃は例年、5月上旬から5月下旬。
園内にはエゾヤマザクラをはじめ、ソメイヨシノやシダレザクラなど約1,000本もの桜の木があり、各品種が順次咲くため比較的長期間お花見を楽しめます。
道南の桜の名所として有名なため、春になるとかなり多くの人たちで賑わいます。
園内に数ある桜の中でも名木として知られているのが、樹齢200年近いエゾヤマザクラの「石割桜」。
名前のとおり巨石を割りながら成長している桜で、北海道の記念保護樹に指定されています。
有珠善光寺自然公園の紫陽花の見ごろは7月下旬から8月上旬
有珠善光寺自然公園の紫陽花の見ごろは例年、7月下旬から8月上旬。
見頃時期の前後でも紫陽花の花を見ることはできるので、概ね7月上旬から8月中旬の間で楽しめます。
園内の中でも、有珠善光寺の本堂周辺で目にできる淡い紫色や水色の紫陽花は見事!
10月の紅葉や、カタクリ、ツツジや牡丹、カスミソウも見事
桜や紫陽花以外にも、境内・園内にはさまざまな花を楽しむことができます。
桜の一足前にはカタクリが見頃に。群生地もあります。
桜の季節の後は、ほどなくしてツツジや牡丹の季節。6月が見頃です。
7月になるとカスミソウなどが美しく、真夏になると紫陽花が咲き誇ります。
色とりどりの花々の季節が終わると、木々が色づき始めます。
有珠善光寺自然公園の紅葉の見頃は例年10月で、最盛期は概ね10月中旬です。
スピリチュアル感漂う3大巨木「石割桜」「大銀杏」「石仏ナラ」
有珠善光寺自然公園には、樹齢200年以上の巨木がいくつもあります。
境内や園内には見事な巨木が多数ありますが、その中でも特に有名な3つの巨木を紹介します。
緑豊かな森の中で生き永らえる巨木を見ていると、厳粛な雰囲気でスピリチュアルな空気を感じるとともに、生命の力強さを感じます。
●石割桜
善光寺自然公園の中でもっとも有名な巨木、石割桜。
樹齢200年以上と推定されるエゾヤマザクラで、巨石を割りながら成長をしてきたと言われている力強い巨木です。
●大銀杏
2つ目は、有珠善光寺の本堂の前にある大銀杏。
推定樹齢280年以上といわれ、本堂が建立する前からずっとこの地を見つめてきた歴史の生き証人です。
●石仏ナラ
3つ目は石仏ナラ。
樹齢300年以上といわれているミズナラで、観音様を抱えるように根が張って育っている巨木です。
本堂を正面に見て左手の斜面にある散策路を進むむと見えてきます。
有珠山の火山活動がもたらした天然の石庭
有珠善光寺自然公園には、園内の各所に巨岩や巨石が点在しています。
これらの巨岩や巨石は、造園のために岩を運んで配置したのではありません。
自然にできたものなのです。
どういうことなのでしょう?
今から約7000年前、洞爺湖の南に位置する標高737mの活火山、有珠山で大規模な火山活動がありました。
有珠山の山頂部が大規模に崩れ落ちる「岩屑なだれ」が発生し、大量の岩や土砂が山麓へ流れて埋め尽くしてしまったそうです。その厚さはなんと20mも。
有珠山から数kmのこの地も、もともとは有珠山の火山活動で発生した岩や土砂の堆積地。
つまり、有珠善光寺自然公園の園内各所に散在する巨岩や巨石は、有珠山の噴火活動で発生した岩、溶岩の破片なのです。
蝦夷三官寺の一つ、江戸時代の本堂などが残る有珠善光寺
有珠善光寺自然公園では桜などの自然景観に注目してしまいがちですが、公園の名前にもなっている有珠善光寺も必見です。
長い歴史が宿り、蝦夷三官寺でもある有珠善光寺をぜひ拝観しましょう。
北海道の古から続く有珠善光寺の歴史
有珠善光寺は浄土宗のお寺。正式には「大臼山道場院 善光寺」と言います。
伝承によると、お寺の開基は826(天長3)年。
比叡山の僧、天台宗僧侶慈覚大師円仁が有珠を訪れ、阿弥陀如来像を安置したことが発祥と伝えられています。
その後、1613(慶長18)年に松前藩主の松前慶広がこの地を訪れ、如来堂を再興して阿弥陀如来像を安置した際に善光寺と称したそうです。
1804(文化元)年になると、時の将軍徳川家斉によって蝦夷三官寺の一つに認定されました。
近年では、1974(昭和49)年に境内一帯が国指定史跡に指定され、2018(平成30)年には北海道遺産に選定。宝物館には国指定重要文化財などが展示保管されているそうです。
蝦夷三官寺とは?
蝦夷三官寺とは、1804(文化元)年に江戸幕府が蝦夷地(北海道)に設けた3つのお寺の総称。
現在の伊達市にある有珠善光寺と、様似町にある様似等澍院、厚岸町にある厚岸国泰寺が蝦夷三官寺です。
当時蝦夷三官寺を設置した主な目的は、蝦夷地で死亡した和人の葬儀とアイヌ民族への仏教布教。
また、対ロシア政策のために幕府が蝦夷地を支配していることを誇示する狙いもあったようです。
現在の有珠善光寺の本堂や客殿は、蝦夷三官寺に認定された時に再興されて建てられたもの。北海道では珍しい茅葺屋根の建物です。
すぐ近くにある有珠山の噴火が度々あったものの、今まで難を乗り越え江戸時代の姿のまま今も残っています。
有珠善光寺を拝観しよう
有珠善光寺の本堂と客殿は拝観できます。
ぜひ、日本建築の意匠を見て楽しんでください♪
※宝物館は拝観料が必要です。
有珠善光寺自然公園には、大自然が生み出した景観美と北海道随一の歴史が溢れています。
色とりどりの草花や樹木が彩る天然の石庭と古寺名刹をゆったり眺めに訪れてみませんか?
気持ちが安らぎ、心が洗われた気分に浸れます。
※2019年の情報(2020年加筆修正)です。最新の情報は公式ホームページなどでご確認下さい。