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稚内市にあるJR宗谷本線の抜海(ばっかい)駅は、日本最北端にある無人駅。
大正時代から100年近く風雪に耐えてきた抜海駅の木造駅舎は趣があり、映画やドラマのロケにも利用されました。
利用客が少なく駅の廃止が取り沙汰されましたが、稚内市の管理にて残存が決定。
風情と旅情と人情を感じる最北の駅。列車の本数が少ないながらも訪れる観光客が多いというのも納得です。
この記事では、大正時代の木造駅舎で趣がある抜海駅について、駅の雰囲気やロケーション、駅名の由来などを紹介します。
2023年7月加筆
抜海駅は日本最北端の無人駅
抜海駅は、日本最北端の駅として知られる稚内駅から旭川駅方面へ向かって2駅目。
無人駅としては日本最北端に位置します。
北へ向かう鉄路の終端である稚内駅に比べると地味ですが、最北端の無人駅へ訪れる旅行者は数多くいます。
大正時代に建てられた風情ある木造駅舎はロケ現場
抜海駅の開業は1924(大正13)年で、なんと開業当時の木造駅舎が現役で使用され続けてきました。
駅舎の修繕や改修はされてきたようですが、レトロな佇まいを随所に感じる駅舎です。
もしここにSLが走っていたらとても絵になる風情。
実際に多くの人がこの佇まいに惹かれるようで、かつて映画「南極物語」(高倉健主演)やテレビドラマ「少女に何が起ったか」(小泉今日子主演)の撮影にも使われました。
最北端の無人駅というだけではなくロケ地でもあるため、鉄道ファンのほか映画ファンなども訪れているようです。
待合室の一角には、観光客が最北の駅を訪ねた想いを記すノートも置いてありました。日本人のみならず海外からも訪問者がいるようです。
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抜海という駅名の由来は岩
抜海という駅名は抜海という地名にちなみますが、抜海の由来(語源)は抜海地区の外れにある岩の名称です。
抜海駅は稚内市南部の丘陵地にあり、駅に下り立つと周囲は牧草地や笹に覆われた野原が目立ちます。
人家の数は片手で足りるほどしか見当たりませんが、いわゆる「秘境駅」というほど人里離れた雰囲気は感じません。
駅を背にして約1.5~2km離れた海沿いまで行くと、人家や郵便局などが集まる抜海地区があります。
近年はゴマフアザラシが越冬するスポットとして知られるようになった抜海港がある周辺です。
静かな牧草地や森林が多い駅周辺とは雰囲気がガラリと変わる印象。
ここからさらに0.5kmほど進むと、抜海という地名の由来になった「抜海岩」があります。
抜海岩は高さ約30mの小山で、大岩が小岩を背負うように見えるためアイヌ語で「パッカイ・ペ=子を背負う・もの」と呼ばれていたそうです。
ちなみに、岩の下にある海食小洞窟が先史時代の生活の場として利用されていたため、史跡「抜海岩陰遺跡」という稚内市指定文化財になっています。
抜海駅の乗降客は何人?列車の本数は?
抜海駅は市街地から離れていることもあり、乗降客は極めて少ないようです。
昭和時代後期から平成時代初期にかけては1日平均2桁の利用客がいた模様ですが、近年は片手で足りるほど。
というより、1日当たりの利用者は限りなく平均1人前後の模様です。
抜海駅に停車する列車は普通列車のみ。
かつては長いこと1日上下各5本の普通列車がやってきましたが、2023年時点では下りの稚内駅行が3本、上りの名寄駅行か幌延駅行が計4本のみです。
列車で訪れるには少々ハードルが高いため、レンタカーなどで訪れる人のほうが多いかもしれません。
列車の利用促進という視点からすれば邪道ではあるのですが……、致し方ないかも……。
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抜海駅は廃止!?存廃問題が勃発
2019年度にJR北海道が、宗谷線沿線自治体に対して抜海駅など宗谷線の一部の駅について自治体負担で維持管理をするか廃止するかを2020年3月までに判断するように求めました。
一時は2021年3月のダイヤ改正時での廃止が予定されました。
しかし、駅周辺の町内会や地元有志、鉄道ファンなどの間で駅存続を願う運動が行われたことも影響してか、2021年春からは稚内市が維持管理をすることで廃止を免れることになりました。
ところがその後、2023年に稚内市から地元自治会に対し、2024年度は維持管理費を出せない、つまり抜海駅を廃止にするという方針を伝えました。由緒正しい木造駅舎の無人駅、日本最北の無人駅、どうなってしまうのでしょうか。とても気がかりです。
日本最北端の無人駅の風情
平成27(2015)年のある日、雨が降りしきる抜海駅へ訪れてみました。
時刻表を確認し、到着・出発時刻が近くなるとホームに出て列車の到着を待ちます。
鉄路を刻む音や唸るエンジン音がかすかに聞こえ、だんだんと音が大きくなってきました。
稚内行の普通列車がゆっくりと抜海駅の構内へと入ってきました。
1両編成の普通列車が到着。
ぱらぱらと雨が降る音しかしなかった無人駅に、列車のエンジン音とともに、ワンマンカーであることを案内するアナウンス音が繰り返し鳴り響いていました。
列車内には乗客が数名いましたが、ホームには自分以外人の気配はなし。
誰も降りることもなく、乗ることもなく、列車は静かに駅を発ちました。
カタンコトンという列車の音が少しずつ小さくなっていき、列車が原野の中へと消えていくと再び静寂な空間に戻りました。
列車の本数が少なくても乗降客がいなくても、列車の停車は日常ではありつつも駅にとっては盛大な儀式。
周囲に野原が広がる抜海駅にとってはハレの場です。
人の温もりがある最北端の無人駅
街から離れ乗客が少ない無人駅とはいえ、抜海駅には人の温もりが随所に感じられます。
プラットホームの脇には、綺麗な花が並んでいました。
赤と白に塗られた明るい雰囲気の待合室はとても綺麗に清掃されているうえ、ベンチには座布団も。
駅の各所に、地元の方々によるおもてなしの心を感じます。
利用者が極めて少ない無人駅でも手入れが行き届いた駅。
大正時代に建てられた駅舎が今なお魅力を放っている理由なのかもしれません。
※この記事は2015年に作成した内容を2020年に改訂しました。